目標開発フレームワーク

2025.09.25

目標開発フレームワーク


前回の記事では、チームの協力を生み出すためには「具体的で明確な共有目標」が不可欠であることをご紹介しました。

しかし、「いざ目標を作ろう!」と思っても、何から手をつけていいか分からなかったり、考えがまとまらずに結局曖昧な目標になってしまったり…ということはないでしょうか。

そこで今回は、誰でも簡単に、かつ論理的に共有目標を作成できる強力なツール「目標開発フレームワーク」について、解説動画の内容をもとにご紹介します。


目標開発フレームワークとは、協力関係を築くための「共有目標」を、5つの要素(箱)を使って整理・作成するための思考ツールです。以下の5つの箱で構成されています。

問 題:私たちは何に直面しているのか?

目 的:最終的にどういう状態になりたいのか?

原 因:目的の状態になれない根本的な原因は何か?

解決策:その原因をどうやって取り除くのか?

目 標:解決策を実行して、具体的に何を達成するのか?

この5つの箱を順番に埋めていくだけで、思考のプロセスが可視化され、誰が見ても納得できる、筋の通った目標を立てることができるのです。


このフレームワークを使う上で、最も重要かつユニークなルールがあります。それは「各項目への記述は60字以内にする」ということです。

「もっと詳しく書きたい!」と思うかもしれませんが、あえて文字数を制限することが重要です。なぜなら、情報を詰め込みすぎると、かえって話の要点がぼやけ、ロジックが分かりにくくなってしまうからです。

60字という短い文字数で要点をまとめる訓練をすることで、思考が研ぎ澄まされ、本当に伝えるべき核心部分だけが残ります。このシンプルさこそが、多くの人の共感と協力を得るための鍵となるのです。


動画で紹介されていた「新興団地」の事例を見てみましょう。このフレームワークを使うと、漠然とした問題が、具体的な行動計画にまで落とし込まれていく様子がよく分かります。

【事例】転入者ばかりで地域のつながりがない新興団地

① 問題この団地では、お互いに困ったときに助け合えず、困りごとが解決しない。(57字)

② 目的お互いにいつでも気軽に助け合えるようになる。(23字)

③ 原因新興団地で、住民同士のつながりを作るきっかけがない。(26字)

④ 解決策団地で定期的にお祭りを開催し、住民の交流とつながりを生み出す。(34字)

⑤ 目標来年から毎年、住民の7割以上が参加する夏祭りを定例開催する。(33字)

いかがでしょうか。

「つながりがなくて困っている」という漠然とした課題が、「住民の7割が参加する夏祭りを開催する」という、誰が見ても「何をすべきか」が明確に分かる目標へと具体化されました。これなら、協力者を募る際にも「この目標のためなら、手伝おう!」と思ってもらいやすくなります。


今回は、協力体制を築くための「目標開発フレームワーク」をご紹介しました。

「問題」「目的」「原因」「解決策」「目標」の5つの箱を順番に埋める。

それぞれの箱は、要点を絞って60字以内で記述する。

たったこれだけで、あなたの頭の中にある課題やアイデアが、驚くほどシンプルで強力な「共有目標」に変わります。

動画のコースでは、このフレームワークのテンプレート資料がダウンロードできるようになっています。ぜひ、あなたやあなたのチームが抱えている課題を、この「5つの箱」を使って整理してみてください。きっと、次の一歩が明確に見えてくるはずです。

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