2026.02.17
【活動報告】株式会社ソミックマネージメントホールディングスで講師を担当しました|静岡県磐田で語った「協力」がひらく経営の未来
1/8(木)18:20~20:00『社会課題を解決し、組織課題も解決する!「協力」がひらく可能性と技法』
NPO法人協力アカデミーの松原です。
1月8日は、静岡県磐田市へ。
「社会課題を解決し、組織課題も解決する!『協力』がひらく可能性と技法」と題して講演をさせていただきました。
主催は株式会社ソミックマネージメントホールディングス。
自動車部品メーカーでありながら、地域課題の解決に積極的に乗り出し、地元のNPOなどと「共創」にチャレンジし続けている企業です。

今回は、4回シリーズの記念すべき第1回目。
「あなたの想いから、仲間とつながり、未来をつくる!」という素敵なスローガンのもと、ソミックの社員さんと自治体職員、NPO、市民団体、労協など、多様な立場から約30名が集まりました。

今回はあえて、思いっきり「企業」に振った視点で、社会課題とどう向き合うべきかをお話ししました。そのエッセンスを、ここでも共有したいと思います。
なぜ、いま「社会課題」は売るだけでは解決しないのか?
まず整理しておきたいのは、現代の社会課題の本質です。
貧困、教育、労働……。これらの問題は、複数の原因が複雑に絡み合い、短期間では解決しない構造的なもの。
これまでの「市場課題」は、いい製品を作って売れば解決できました。しかし、社会課題は「売るだけ」では解けません。
「現在の社会や産業の設計では、うまく処理できなくなっている問題」だからこそ、構造や制度の改善、そして多様な主体の合意形成が必要になるのです。
企業が社会課題に向き合うのは「善意」ではなく「戦略」である
「社会貢献は余裕がある時にやるもの」
もしそう考えているなら、それは大きな誤解です。今や社会課題解決はコストではなく、企業の成長源泉そのものだからです。

今日、政府の「骨太の方針2022」に典型的なように、社会課題解決は、コストではなく、企業の成長の源泉そのものとして位置づけられています。企業が社会課題解決に乗り出すことは、理念的な善意ではなく、明確な経営戦略の必要から生まれてきています。
企業がこの領域に乗り出す意義は多面的です。
- 新たな市場の発見:社会課題は「未充足のニーズ」の塊です。
- 取引の前提条件:脱炭素や人権対応ができない企業は、もはや土俵にすら立てません。
- 人材の採用・定着:社会的意義のある仕事に、優秀な人は集まります。
- 価格競争からの脱却:特にBtoB企業にとって、社会条件から深く関与する能力は、強力な差別化要因になります。
大切なのは、「製品を作ってから社会に出す」のではなく、「社会実装と製品化を同時に追求する」という姿勢へのシフトです。
協力の原理「相利開発」が組織の壁を越えていく
とはいえ、一社だけで解決できるほど社会課題は甘くありません。そこで重要になるのが「共創」ですが、これが実に難しい。
立場の違う人たちが集まれば、成功の定義もスピード感もバラバラ。ここで私が提唱しているのが「相利開発」という手法です。
「相利」とは、共通の目標を達成することで、それぞれが異なる利益を得ること。
「これをやる代わりに、あれを頂戴」という単なる交換ではなく、一緒に取り組むことで、お互いの困りごとを同時に解決していく協力の原理です。
これは外部との共創だけでなく、社内の「縦割り」や「部門間連携」といった組織課題の解決にもそのまま活用できます。
「同じ」を求めすぎないことが、共創の第一歩
講演の最後に、大切なポイントをお伝えしました。
それは、「相手は自分とは異なると理解し、同じを求めすぎず、相手を変えようとしないこと」。
今回のセミナーでは、アンケートでも「大好評だった」とのフィードバックをいただきました。ソミックの皆さんの、地域と共に未来を作ろうとする熱意に、私自身も大きな刺激を受けた一日でした。
全4回のシリーズ、ここからどんな「共創」が磐田の地で芽吹くのか。これからの展開が本当に楽しみです。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。