全国規模の助成金獲得で団体が飛躍

2025.09.24

全国規模の助成金獲得で団体が飛躍

事例:NPO法人てんびん

NPOの活動にとって資金調達は大きな課題です。理念や活動内容が社会的に重要であっても、助成金申請では思うように成果を得られず、悩む団体は少なくありません。

神戸市で活動する「NPO法人てんびん」の代表河野由季さんも、かつてはその一人でした。

地域の小規模な助成金や市の補助金には採択されていたものの、全国規模・100万円以上の助成金では不採択が続き、「何が原因で通らないのか」「どう書けば審査員に伝わるのか」が分からない。申請の正解が見えず、団体の成長にブレーキがかかっていました。

そんななか、河野さんは協力アカデミーの松原明代表が講師を務める「助成金ブートキャンプ」へ参加し、「通らない」助成金の壁を乗り越えました。

この記事では、河野さんがどのようにして全国規模・100万円以上の助成金が獲得できるようになる成果を手にしたのかを振り返ります。


NPO法人てんびんは、誰もが彩り豊かに生き合う未来のために―アートの力を老いの味方にパーキンソン病当事者の方々やご家族が生きる力を取り戻す場を提供し互助するアート集団です。

団体の規模は年500万円から1200万円へと成長する一方、団体の中長期的な発展のために、全国規模・100万円以上の助成金に申請してきましたが、採択への壁は高く感じられていました。助成金に詳しい人に相談しても抽象的な助言しか得られず、具体的な改善方法は見つかりません。

そんな中で出会ったのが、NPO法人協力アカデミーの「助成金ブートキャンプ」でした。広告メールを偶然目にして説明会に参加した河野さんは、松原代表の体系的で論理的な解説に衝撃を受けます。

「助成金とはどのような性格のお金なのか、から始まり、なぜ財団が助成プログラムをつくるのか。応募要項はどのような構成になっているのか?など、助成プログラムをしっかり分析するる必要があることを初めて知りました。しかも、審査員経験を持つ専門家から直接添削を受けられる。これなら、自分たちの迷いを突破できると思ったんです」

単なる「書き方講座」ではなく、体系的で戦略的な申請力を磨ける場であることに強く惹かれ、受講を決意したと語ります。


「助成金ブートキャンプ」で得た最も大きな学びは、助成プログラムの背景や意図を丁寧に読み解くことでした。

「これまでは自分たちのやりたいことを中心に書き並べていました。でも大切なのは、財団がなぜそのプログラムを設定したのか、その目的にどう応えるかを明確にすることだと気づいたんです」

また、自団体のビジョンや事業を変えるのではなく、それに合う助成金を選び、助成財団の力を借りて活動を拡大するという発想への転換も大きな収穫だったと述べます。

さらに、松原代表による丁寧だけれど徹底的な添削が意識を大きく変えました。
「自分では“これで完璧”と思った文章も、『そうじゃない。ここは書く』と具体的に指摘され、表現が磨かれていく。繰り返しの壁打ちで、助成財団の“人格”や意図を意識できるようになりました」


学びを活かした結果、全国規模の助成金や政府の委託事業に相次いで採択されました。

  • 市民社会創造ファンド(ジョンソン&ジョンソン ヘルスケアプログラム):260万円
  • 内閣府 孤独・孤立対策NPOモデル調査:200万円

合計460万円の獲得は、団体にとって大きな飛躍でした。

「全国規模で採択されたことで、ボランティアや当事者の方々が“自分たちの活動は全国に評価されている”と実感し、モチベーションが大きく高まりました」

採択は単なる資金調達にとどまらず、団体メンバーの自信と結束を強める成果をもたらしました。


ブートキャンプ前は1週間かけても不採択に終わることが多かった申請書づくり。しかし、学びを経て効率は飛躍的に改善しました。

「助成プログラムの意図を先に読み込み、要点を押さえて書く。これを意識したことで、3日程度で申請書を完成できるようになりました」

さらに、AI(ChatGPT)を活用し、助成プログラムと自分たちの企画の整合性を検証する方法も学びます。結果、審査員目線での評価をシミュレーションするなど、効率的なブラッシュアップを実現しました。


助成金獲得はゴールではなく通過点です。

河野さんは「実績や評価を数値で残すことが次のステップにつながる」と学び、今後は行政提案にも挑戦したいと語ります。

「厳しい添削を通じて意識が変わり、助成財団の“人格”や意図を意識できるようになったのが最大の成果です。助成金はゴールではなく、団体のビジョンを実現するためのパートナー。今後は行政とも連携し、活動をさらに広げていきたいです」


講師を務めた松原は、今回の成果について、以下のように語っています。

「河野さんは、助成金申請を“自己流”から“戦略的手法”に変え、大きな成果を挙げられました。特に、財団の意図を丁寧に読み込み、自団体のビジョンと結びつけた点が素晴らしいです。全国規模での採択は、団体の成長の大きな一歩です。今後も実績を積み重ね、行政提案などさらに大きなチャレンジに向かって進まれることを期待しています。」


「自己流で悩み続けていた時間がもったいなかった」と河野さんは振り返ります。

もし、あなたの団体がかつての「NPO法人てんびん」のように助成金獲得で壁に直面しているなら。もし、その活動を全国へ広げたいと願っているなら。

協力アカデミーは、経験豊富な専門家とともに、あなたの挑戦を成果へと導きます。
“自己流”に頼る申請作業を、団体の未来を切り拓く「確かな一歩」に変えてみませんか?

まずは、あなたの団体が抱える課題について、お気軽にご相談ください。


団体名
NPO法人てんびん

代表者
河野 由季(こうの・ゆき)

NPO法人てんびん代表理事。神戸大学経営学部卒業。有限会社ジョイコーノにてオンラインアパレル通販「アニマスジャパン」を設立後、2017年に愛媛県から兵庫県神戸市へ企業移転。2021年から佐古田医師と始めたyoutubeチャンネル制作をきっかけにパーキンソン病当事者の方々やご家族と出会い、社会的弱者を救う福祉のありかたではなく、多様な人々がアートを介して混ざり合い、互いを理解しながら生をポジティブに捉え直すことができる場を創造すべく、プラトーハウス&ラボの構想を始める。

事業内容
パーキンソン病当事者と介護者が、今は病に関りのない方と共に、生きることを再びポジティブに捉えることのできる場作りに取り組む

活動エリア
主に兵庫県神戸市を中心に全国へ展開

利用前の課題
・全国規模の助成金で不採択が続き、申請の「正解」が見えなかった
・活動の中長期的なビジョンに助成金を結びつけられなかった
・限られた人員で効率的に申請書を仕上げる体制が整っていなかった

利用サービス
NPO法人協力アカデミー 松原明代表による「助成金ブートキャンプ」

利用後の成果
・市民社会創造ファンド(ジョンソン&ジョンソン ヘルスケアプログラム)に採択(260万円)
・内閣府「孤独・孤立対策NPOモデル調査」に採択(200万円)
・合計460万円を獲得し、全国規模の活動基盤を強化
・申請スキルの向上と効率化(1週間→3日で申請書作成が可能に)
・団体メンバーの自信と意欲が向上

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